「生き様」否定派

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考証要集 秘伝! NHK時代考証資料 (大森洋平)

 私の尊敬する師(と言っても実際に会ったわけではなく、すでに故人の作家です)が、
「生き様なんていう言葉はない。あれは死に様と言う本来あった言葉の反対語として勝手に使い始めた人間がいるのだ。」
 と仰っており、私もその意見を支持しておりました。

 その『生き様否定派』に味方がいる事を知ったのがこの本、「考証要集 秘伝! NHK時代考証資料」。
 この本によると、生き様は古来からある言葉『死に様』という言葉から戦後に生まれた造語であり、藤沢周平も「お金をもらっても使いたくない言葉」にこれを挙げたとか。

 藤沢先生も同じ思いだったとは、なんと心強い援護射撃でしょう。
 
 また、時代劇以外にも多くの用例が書かれているこの本。
 普段我々が使っている言葉や文化が古いかそうでないか、知らないケースが多々ありました。

 例えば、現代も甘味処で楽しむみつ豆を江戸の人々は食べていません。
 いかにも和菓子っぽい印象があるものの、実際に発明されたのは明治36年でした。

 反対にやんちゃな方々がこよなく愛する、「マジ?」という言葉。
 元々は江戸で18世紀に流行語になった言葉が今でも生きており、やんちゃな方々が江戸人の意志を引き継いでいるのです。

 あまり難しい事を考えず、気になる単語をペラペラ眺めて驚くだけでも元が取れる一冊だと思います。

 コレ、風格ある表現が収録されているので、ファンタジー小説を書かれる方にも応用できる資料にもなりますよ。
 例えば王様が話す言葉ひとつとっても、
「冗談はよせ!」と「たわむれを申すな!」を見比べると、同じ意味でも後者の方が威厳を感じますから。 

 こういう知識を得たところで、今後は誰かの間違いを笑う気なぞまったくありませんが、
「今の若者は言葉使いがなってない!」
 とお嘆きの大御所芸能人なんかが、
「我々役者の生き様は・・・・・。」
 と発言している場面を見かけるたびに、ニヤニヤする予定です。

 せっかくなので、みなさんもニヤニヤしましょう。

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[ 2017/04/14 09:00 ] 日記 | TB(0) | CM(2)

マジパネェッス、みたいなものも江戸で流行った台詞まわし転用だったりすんのかなw
あとコンビニの店員が使う、らっしゃっせー、みたいなのも
[ 2017/04/14 19:33 ] [ 編集 ]

>てかとさん
「こんにちは」が「今日は良い天気ですね」等の略だそうですので、「らっしゃっせー」も「マジパネェッス」も、元を辿るとかなり昔から使われているかもしれませんよ。
[ 2017/04/15 15:57 ] [ 編集 ]

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