ヤノマミ ~人間と精霊と~

2015032701.jpg
ヤノマミ(国分 拓/新潮文庫)

 読んだ本のお話などを。
 今日は『ヤノマミ(国分 拓/新潮文庫)』です。

 ブラジル、アマゾンで1万年以上前から同じ生活を続けるヤノマミ族。
 その集落へ行き、彼らと共に過ごした生活が描かれた作品です。
 ノンフィクションの多くが海外作品の翻訳版である中、本作は日本人が書かれており環境に関する価値観は我々読者にかなり近いものがあります。
 常識感が日本人的なので、共感する点が多いというのもオススメポイントの一つです。

 ヤノマミ族の生活、とりわけ死生観は、日本人である我々が理解するのに努力を要するケースが多々あります。
「生まれた子供を精霊にするか、それとも人間として育てるのか。」
 ヤノマミの母親が一人で決める出産にまつわるお話は、帰国後作者の精神と身体がおかしくなってしまうほどのものでした。

 またブラジルという国の人間であるという事で、原初の生活と文明とのジレンマに陥る事も多々あります。
 例えばブラジル国家に対して何かを訴えるとき、自分たちの言葉は通じないのでポルトガル語を学ぶ必要があるのですが、言語を学びに街へ行くという事は、洋服やパソコンだけでなく、治療を担当する集落の祈祷師では手におえない手術や抗生物質にも触れる事になるわけでして。
「集落に帰ってきたら、元の生活に戻るべきなのか?」
 という疑問は、最後まで解消する事はありませんでした。

 これについては正しい答なんて存在せず、読んだ方が各自考えるのが良いのかもしれませんね。

 私自身はこの国分さんのヤノマミに対する姿勢にとても好感を持てました。
 ただ相手の文化に驚くとか、見下す姿勢は無く、できるだけあちらの立場で考え寄り添っていく態度に、学ぶ点は多くあります。
 こういう感覚で知らない文化や人々に接する事が出来たら、国際交流もまた違ったものになるのでしょう。

スポンサーサイト
[ 2015/03/27 09:00 ] 日記 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://honkedoy.blog.fc2.com/tb.php/493-29940599