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四面楚歌

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 インフルエンザの予防接種を済ませた後、ふいに裁判を観たくなって東京地方裁判所へ。
  
 久しぶりに行った東京地裁は少しだけデジタルになっており、タッチパネルで「本日の裁判」が調べられるようになってました。
 見学のコツは「新規案件」に絞る事。
 途中からとか、判決とかは、よほど大きな事件ではないとわかりませんから。
 タッチパネルは新規案件だけを絞り込めるのでとても便利です。

 この日あったのは、「銃刀法違反&傷害罪」と「覚醒剤取締法違反」「強制わいせつ」の3件。
 傷害罪は生々しいし、覚せい剤は前回見たので、今回は強制わいせつを見ましょう。
 
 そういえば、殺人罪はありませんね。
 前回行った時もありませんでした。
 日本で一番規模が大きいであろう東京地裁でコレなのですから、思った以上に世の中に殺人事件は溢れていないのかも。
 それとももっと上の裁判所から始まるのかな?
 
 で、今回の事件ですが、ちょっと舐めてました。
 傍聴人の列に女性の割合がやけに多い、というあたりで多少は気づくべきでした。
 被告人がきちんとしたスーツ姿で礼儀正しく待っているので、油断していたようです。
 強制わいせつという単語で、女性の前で股間を出しているようなシーンをイメージしながら開廷。
(もちろんそれだってダメですよ!)

 被告人は満員電車の中で女子高生のスカートにしたから手を入れた。
 パンツの中にも手を入れ、陰部や臀部を触り、指を入れた。
 上着からブラジャーの中にも手を突っ込み、乳首を挟んだ。
 被害者の手をつかんで自分の陰部を触らせた。


 あ、これはダメなやつだ。
 ゴメンなさいじゃ済まない奴だ。

 しかもこの被告人は前科二犯。
 最初は満員電車で女子高生の太ももを自分のふとももで挟み、迷惑防止条例違反で罰金。
 次は会社に女子中学生を連れ込んで陰部を触らせ、青少年育成条例違反で罰金。

 ほぼ満員の傍聴席の空気が変わっていくのがわかります。
 なるほど、だから女性の傍聴人も多かったのか。
 
 もちろん弁護士側は証人を用意して罪の軽減に徹します。
 証人として呼ばれたのは、被告人の奥さん。
 
 前科二犯とは知りませんでした。
 今回の事件で非常に強いショックを受けました。
 夫がこんな犯罪を起こして大変申し訳ありませんでした。
 離婚も考えましたが、親族の力も借りて再犯防止施設に通い被告人の更生に協力します。

 この夫婦の関係は知りませんけど、今回に限っては立派な奥さんだと思いました。
「貴方の責任ではありませんが、責任を感じられておられるのですね。」
 裁判長も証人に関しては非常に好印象を持たれたようです。

 でも被告人がダメなんですよ。

 会社がブラック企業でパワハラで疲れていて、被害者のお尻が自分の体に触れた事でスイッチが入った。
 前の犯行で、次に犯罪を犯したら懲役刑になるよと言われていた。
 犯行の際の記憶はないが、逮捕後警察から話を聞いて自覚した。
 前回までの犯行も今回の犯行も、全部自分の弱さが原因。
 
 検事だけじゃなく、傍聴人もすっかり被告に悪い印象を抱いてしまってます。
 となりで膨脹していた女性も、被告の発言中にメモをギリギリ握りつぶし始めたので、ちょっと怖かったです。

 検事さんは男女の二人組で、若手の女性がベテランの先輩男性のサポートで裁判をしている感じ。
「被害者はこの一件で、一生消えない心の傷が残っているのです。」
 若手の女性検事が一通り喋った後は、今までじっと座っていたベテラン先輩男性検事が最後に一言。

「世の中仕事で疲れている人が沢山いるのに、それを理由に罪も無い女子高生を巻き込むのはいかがなものか!」
 
 で、さらに裁判官にも怒られます。
「被告人には子供だっているでしょう。あなたの子供が同じような目に遭ったらどうします?」
「それは……絶対に許せないです。」
「そういう事を貴方はやったんですよ!」

 
 判決は来週に出るそうです。 


 
 1時間位の裁判で、色々な人生を覗いたような気がする。
 


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[ 2017/12/15 09:00 ] 日記 | TB(0) | CM(0)