FC2ブログ










グリーンブック

2019031001.jpg

 今年のアカデミー賞作品賞や脚本賞を受賞した映画『グリーンブック』を観に行ってきました。

 物語の舞台は1960年代。
 イタリア系白人のトニーは、とある縁で黒人の天才ピアニスト、ドン・シャーリーの運転手兼ボディガードを引き受けることになりました。
 仕事の内容はニューヨークから8週間かけてアメリカ南部周り、ピアノのライブツアーに出かけるという内容です。

 ドン・シャーリーは博士号をいくつも持ち、多くの言語を話すことができ、ピアノのも上手という、いわゆる天才。
 人種差別の激しいアメリカ南部でも、上流階級の白人は大感激。
 どこでもライブは大成功、大きな拍手が送られます。

 ・・・・・・が、それじゃあトイレを借りようとすると建物の外にあるColored(有色人種/主に黒人)と書かれたトイレに案内されます。

 途中で宿泊する際には白人専用のホテルには泊まれず、運転手のトニーとホテルも別。
 バーへ行けば白人に絡まれ、ライブ会場の楽屋は白人専用のために倉庫に案内されるという待遇。
 そんな黒人差別をする人々の行動に耐え、ドンはトリオの仲間たちとアメリカ南部のツアーを続けます。
 タイトルとなった『グリーンブック』とは、黒人が旅先で泊まれるホテルやレストランの案内書だったのです。

 この作品の魅力は、こういう暗いテーマを扱っているにもかかわらず、映画のジャンルが「コメディ」という事。
 真面目で知的なドンとは対照的で、割とやんちゃなトニーがコメディリリーフとなり、全体的に面白い作品なのです。
 それは他のお客さんも同じ思いだったらしく、自分の笑い所では少し笑い声が漏れるのが聞こえました。

 内容もそれほど重くもなく難しくもなく。
 社会に関心のあるティーンエイジャーならほとんど苦労なく観られると思います。
 いまどきの映画にしてはかなり長めなので難しいかもですが、学校の映画鑑賞会に選んでも良さそうです。

 以下は余談です。

 この作品が評価された背景について、映画評論家の町山智浩さんのラジオ「たまむすび」でされていた解説が印象的でした。

「差別や貧困を取り扱っており、しかも面白く仕上げてあるから」

 それと同時に、同氏のコメントでハッとした事がもう一点。
「(『万引き家族』を除いて)日本では差別や貧困を真正面から取り扱う映画が作られない。だから別の世界の物語の障害や、不治の病で死ぬ物語ばかりが採用される」

 確かに万引き家族は、
「世界中の人に、これが日本の本当の姿だと思われるのは心外だ。けしからん!」
 と言っている方がいましたし、日本人の人種差別についての作品も基本的に作られませんね。
 その分わかりやすく誰も傷つけず、苦情も来にくい『不治の病』がテーマに選ばれるのかも。

スポンサーサイト



[ 2019/03/10 09:00 ] 日記 | TB(0) | CM(0)