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戦場における小失敗の研究

 毎年この時期になると戦争の本を読んでいます。
 今年はこちらを読了しました。

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戦場における小失敗の研究 勝ち残るための究極の教訓(三野正洋)

 三野正洋さんの『戦場における小失敗の研究 勝ち残るための究極の教訓』という本です。

 歴史についても戦争についても多くの意見がある中、私が一番重視するのは失敗談です。

 軍事というのは科学の最先端です。
 研究成果が戦争以外の人類の利益になった事実もあるほどに。
 なのに、人類は洗浄において、時に非常に単純で原始的な部分で大きな過ちを犯します。
 しかも自身は敵のそんな態度をついて勝利したことがあるにもかかわらず。

 本書では、そんな私がもっとも興味深いと思う失敗談が紹介されています。

 例えばアメリカ陸軍。
 日本と戦争をしたときにアジアのジャングルをしっかり調査し、工作部隊を派遣。戦車を最大限活用しました。
 手動でエッチラオッチラと切り開き、野砲を担いで歩いていた日本軍は、アメリカ軍の進軍速度を見て驚いたそうです。

 それが太平洋戦争(大東亜戦争)が終わり、今度は朝鮮半島の有事ではほとんど現地調査を生かさず、
「韓国の地形は山岳が多く戦車の利用に適さない」
 と判断し、ひどい目に遭います。
 北朝鮮側の軍が韓国側に侵攻した際、なんと戦車(主力戦車)と呼ばれる兵器は1両もなく、北朝鮮軍が使用していた最新鋭戦車T-34に、在韓米軍の軽戦車はまったく歯が立ちませんでした。
 
ソ連製戦車 T-34
写真右がソ連製の戦車T-34(写真はポーランドで撮影したもの)

 
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ポーランド軍事技術博物館で撮影したT-34

 もう少しアメリカや国連軍の動きが遅かったら、今頃国境線はさらに南下していたかも(それ以上に韓国が負けていたかも)しれなかったので、大きな失敗でしょう。

 もちろん本書には旧日本軍の失敗も紹介されていますし、戦後ではフォークランド紛争、ソマリア紛争、イラク戦争等のエピソードも収録されています。
 失敗談はどれも最先端の科学技術を扱う集団とは思えない失敗ばかりで、読んでいると大変良い勉強になりました。
 
 AIや無人兵器、ドローン。
 今後、軍事のジャンルはそれらの最新鋭の技術が加わり、さらに高度かつ複雑になってきますが。

 多分、本書の帯に書かれている、
「誤解、錯覚、単純なミス…・・・。そして予測不可能なヒューマンエラー」
 といった初歩的なミスが生み出す悲劇は、今後も無くならないのでしょうね。
 
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[ 2019/08/13 09:00 ] 日記 | TB(0) | CM(0)