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引っ越し大名

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 8月30日から公開されている『引っ越し大名』という映画を観てきました。
 国替えを繰り返し『引っ越し大名』と言われた実在した人物、松平直矩とその部下たちのお話です。

 松平直矩は越前松平家の2代目当主であり、徳川家康の玄孫(家康の孫の孫)にあたる由緒正しい血筋の大名です。
 
 徳川家康の二男、結城秀康という人物がこの家系のご先祖様になります。
 この秀康という人物もなかなか気の毒な人生を送っていまして。
 父親の家康は彼を冷遇し、3歳になるまで顔すら見たことがありませんでした。

「なんとか父上に秀康と対面させてあげたい」

 と配慮をしてくれた異母兄の信康(家康の長男)は切腹。
 その後は小牧・長久手の戦いの和睦条件の一環として、羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)へ養子に出され、秀吉に子供ができたために今度は結城家へ婿に出されます。

 結城家は関東の名門ではあるものの、弟である秀忠は弟(家康の三男)なのに二代目征夷大将軍。
 さすがに将軍の兄を一大名とするには問題なので由緒正しい苗字『松平』を名乗る事にはなったものの、色々と思う所はあったでしょう。

 そんな苦労の多い家系である越前松平家は、秀康亡き後も苦労しました。
 この物語に登場する松平直矩の世代には国替えが盛んに命じられ、父親が姫路藩(兵庫県)に国替えを命じられ移動中に亡くなり、
「新当主がまだ子供で姫路を守らせるのは無理なので国替えを命ずる」
 と、村上藩(新潟県)へ国替えを命じられます。

 成人してからは姫路に戻れたものの、近い親族の大名家で発生したお家騒動の仲裁に失敗し、日田藩(大分県)へ国替え。
 この時減封(石高の低い国へ国替えさせられる事)となり、山形藩(山形県)への国替えを経由し、ようやく白河藩(福島県)へ国替えした時に石高が元に戻りました。

 これがお殿様だけ新幹線へ乗る程度なら簡単なのですが、国替えは基本的に関係者全員が引越しとなります。
 家老クラスから一番下っ端の家来まで、全員が引っ越すわけですからお金もかかりますし、次にやってくる大名の為に引継ぎの資料を作らないといけないので手間も大変です。
 一度も国替えの無い大名がいたことを考えると、一生涯に何度も国替えを繰り返した松平直矩は本当に苦労したのだと思います。

 さて映画の本編ですが、この実際にあった話をベースにユーモラスに描かれており、時折笑い声が館内に響く楽しいものでした。
 ご年配のご夫婦が多く、年季の入った笑い声がよく聞こえていたように感じます。

 役者さんも非常に良いチョイスで、主人公の星野源さんをはじめ、武人ぶりが光った高橋一生さん、歌声が素晴らしかった高畑充希さん、コメディ部分が魅力的だった濱田岳さんや、松平直矩役の及川光博さん。その他の配役もお金がかかってるなあと感じてしまう顔ぶれでした。

 ピエール瀧さんや飯尾和樹さんの出演も話題になっていたようですね。
 飯尾さんは私の中ではコサキンの印象が強いので、武人と化していた劇中ではどうもご本人だと信じられず、スタッフロールで確認した位です。
 お二人とも、良い顔つきの侍でした。

 歴史に対する知識はそれほど必要としないので、おそらく誰が観ても面白い作品ではないでしょうか。
 個人的には強くご鑑賞をオススメします。

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[ 2019/09/08 09:00 ] 日記 | TB(0) | CM(0)