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偽史がアツい!(自分限定)

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偽書「東日流外三郡誌」事件(斉藤光政)

 今日紹介するのは、偽書「東日流外三郡誌」事件という書籍です。
 
 1970年代、青森県在住の和田喜八郎という人物が部屋の改装中、古文書が天井を突き破って落ちてきました。
 その文書の量は数百冊で、「東日流外三郡誌」と呼ばれたこれらの資料は、東北の知られざる歴史が細かく書かれており、新たな発見が沢山ありました。

 また和田氏は次々に周辺エリアを調査し、貴重な資料を発掘。
 彼の活躍でご神体が見つかり、神社が作られる出来事もありました。
 安倍氏のルーツは青森にあるという発表も世間を驚かせ、現在の内閣総理大臣である安倍晋三さんと、両親である安倍晋太郎夫妻までがご先祖様の墓参りに来ました。

 で、タイトルでおおよそ想像できるように、これらは全部、和田氏のウソだったんです。

・古文書の筆跡が和田氏本人と同じ。
・古文書なのになぜか20世紀にできた単語が使われている。 
・文書内で使われている絵が何故か他の古文書の挿絵と構図が同じ。
・和田氏は元陸軍スパイだったと名乗っていたけど陸軍関係者に否定される。
・和田氏は皇室警察出身だと言っていたけどコレも嘘だった。


 古文書の内容どころか、本人の経歴まで、嘘ばかりでした。
 そこで歴史に詳しい方が集まり偽史(ぎし/にせものの歴史の事)だと判明したものの、和田喜八郎氏は最後まで何も撤回することなく亡くなりました。

 和田氏の死後、家の所有者である親戚に許可を得て和田氏の家を捜索したところ、文書が落ちてきたと言われた天井裏には文書を保存できるようなスペースはなく、彼の部屋には尿の入った瓶が大量に見つかりました。生前親族に、文章を古く見せるためには尿を使うと言っていたらしいので、おそらくそのような目的なのではないかなと言われています。

 その他の詳細は本書をお読みください。
 
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 この偽書騒動、割と現代にいたるまで爪痕を残しております。
 例えばTVゲーム「真女神転生」に登場する、アラハバキ(魔神or国津神)。
 このアラハバキが遮光式土偶のような恰好をしているのも、この東日流外三郡誌で、
「発掘される遮光式土偶はかつてアラハバキとして崇められていたものだよ」 
 という説明がされた為にこのようなデザインにしてしまっています。

 つまり、神話に詳しいはずのアトラスのスタッフも騙されてデザインしちゃっているのです。
 アラハバキと言われていた土偶の正体は、中国の土産屋で売っていた安物のレプリカだったんですけどね。

 そして、一度こういうイメージができてしまうと、例え偽物でも世間の流れを覆すのは難しいのです。
 日本史学会はこの失敗を生かすことができず、最近では「江戸しぐさ」もまともに取り扱わないうちに、世間に広まってしまいました。 
 あれもどう考えても嘘の歴史なのに、学会側がとるにたらないものと放置していたせいで、未だに地方の公共団体で「学ぼう江戸しぐさ」みたいな掲示物作ってますからね。


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[ 2018/07/13 09:00 ] 日記 | TB(0) | CM(0)

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