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オサレな海兵さん

「日本人なら先の大戦について色々と知っておかねば!」
 というのは大変よくわかるお話なれど、ついつい体験談とか食べ物系の本へフラフラと向かってしまってます。

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戦艦大和の台所 海軍食グルメ・アラカルト(高森直史)

 今回読了したのは、高森直史さんの『戦艦大和の台所』という作品です。

 作者の高森さんは料理学校を卒業後、海上自衛隊で護衛艦補給長をはじめ多くの役職を経験された方で、特に料理の技術を生かして護衛艦で料理を作る役職をされており、隊員として任務に就いていた当時は戦前の海軍士官がそのまま海上自衛隊で活躍されていたそうです。

 最終階級は1等海佐で、一般的な感覚で説明すると、おおよそ大会社の部長クラス。
 アニメ好きにわかりやすく説明すると、ガンダムのシャア・アズナブルや、天空の城ラピュタのムスカと同じくらいです。

 呉の海軍グルメ発掘にも尽力されており、
「肉じゃがは海軍発祥」
 という一連の海軍料理ムーブメントは、この方が発祥だそうです。
 私も実際に呉で美味しい肉じゃがを食べましたので、遠く遠くでお世話になった方なのかもしれません。

 さて肝心の本編ですが、戦艦大和に関するグルメ本というより、戦艦大和の話も含めた海軍及び海上自衛隊の食事に関する話を集めた本、という認識が正しいと思います。
 そもそも戦艦大和の資料は敗戦が決まると焼却処分されてしまっているのと、乗組員が亡くなられたりしているのと、生き延びていらっしゃる方があまり語りたがらない(華の海軍なのに調理係というのが恥ずかしかったらしいです)のとで、それだけで本を一冊作れる資料はなさそうです。

 そのかわり、今まで読んできた海軍に関する本で一番読みやすい内容となっています。
 戦艦大和で食べられていたオムライスや、戦闘中に食べるおにぎり、各艦の名物料理等は、
「巡洋艦○○は○○cmの主砲を持っており……」
 といった専門知識はほとんど不要ですから。

 個人的に面白かったのを二つほど挙げると、まずひとつめはチキンライス。
 今はチキンライスと言えば鶏肉やご飯を炒めたものにケチャップをかけて作られますが、明治時代のチキンライスはピラフのように作りトマトソースをかけたライスに、大きな鶏肉をバターで炒めて添えるというものでした。
 チキンとライスが独立してワンプレートで提供されていた料理だったようです。

 それからふたつめは海軍スイーツ。
 最近はどこの繁華街へ行っても見られるタピオカが、実は明治時代の海軍ですでに採用されていたのです。
 タピオカプリンと言う、容器にタピオカとプリンの生地を流し込んで蒸すもので、今食べても美味しそう。
 当時は黒糖タピオカではない、いわゆる透明なタイプが採用されていたのでしょう。

 海軍料理は明治時代から常に進化し、大正に入るとコロッケやウナギの蒲焼、昭和になるとクラムチャウダーやロールキャベツなど、今の洋食でも大人気のメニューが並びます。
 陸軍と違って海軍は海外へ行く研修が多かった分、色々と美味しいものを学んできたのでしょうか。

「海軍は飯が命!」
 という、当時の軍人さんの気合が伝わってきました。

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[ 2019/10/18 09:00 ] 日記 | TB(0) | CM(0)

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