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数字の中に潜むもの

 香川県議会で「ネット・ゲーム依存症対策条例素案」という条例が検討されています。
 最初は「中学生以下の学生さんはスマートフォン等の使用を1日1時間以内にする」という内容で、後に対象が「ゲーム」のみとなりました。
 中学生以下の子供は夜9時以降のスマホの使用は禁止。それ以上の子供は夜10時まで。
 学校がお休みの日は制限時間が90分になり、保護者は終日ルールの順守を指導するというもの。

 スマホやゲームを長時間遊んでいる子供は成績が悪いという研究データを参考にし、ゲーム依存症を防ぐ意味もあって、本条例を検討しているそうです。

 今日は少し長くなりそうですが、ちょっと遠回りに付き合ってください。

 1990年代後半あたりから、日本でちょっとしたワインブームになりました。

 なんでもヨーロッパで毎晩ワインを飲んでいる人たちは健康的な生活を送れているという研究結果が出たそうで、
「ワインに含まれているポリフェノールが体に良いらしい」
 と、当時は日本中で大いに飲まれていた記憶があります。

 ワイン自体は美味しい文化でしょうから流行自体は喜ばしいものの、長生き及び健康的については今では疑問を持っている人がかなりいます。
 かくいう私もそうです。
 何故ならワインを毎晩飲める家の人が長生きなのは、ワインのおかげとは限らないからです。

 例えば毎晩ワインを飲める人はそれだけ生活が豊かで、飲めない人は貧しい生活を強いられているとしたらどうでしょう?
 毎夕食後にワインを飲めるほど裕福な人は健康診断も適切な医療も受けられるので、結果的にワインがあってもなくても長生きできるのでは?

「週に2回運動している人は、運動していない人より長生きという研究結果が発表されました!」

 毎週2回も運動できる余裕がある人は運動していない人より長生きされる事もあるでしょう。
 休みが取れるホワイト企業にいるとか、伴侶の収入があるからのんびり生活できるとか、誰かに家事や育児をお願いできるとか。
 これらの研究結果で喜ぶのはワイン業界かジム業界くらいで、国民にとって役に立つデータではなさそうです。
 
 話をゲームに戻しましょう。
 確かにゲームをずっとしている子供には成績が低いかもしれません。
 不登校になっている子供の中にはずっとゲームをしている人もいるでしょう。

 しかしながら、ゲームを取り上げられた子供がその分だけ勉強をするとは限りません。
 代わりにTVを見始めたら今度はTVを取り上げますか。
 それとも代わりに野球を始めたら野球を規制すべきでしょうか。

 この条例に関連して報道されていたニュースで紹介されていたゲームばかりしている不登校の中学生は、今でも担任に怒られる夢を見て苦しんでいるそうです。
 この中学生からゲームを取り上げたらすべて解決して不登校が解消されるのでしょうか。
 スマホやゲームがない時代から、不登校だった子供はたくさんいたのですよ。
 明らかに問題は別のところにあるでしょう。
 
 自分より年齢も身分もはるかに上の香川県の県会議員さんには悪いのですが、あまりにも短絡的ではありませんか?
 
 成績が落ちている子供には指導方法を変えてレベルに応じて教えてあげれば良いですし。
 ずっとゲームやスマホを捜査している子供には依存症の治療が必要かもしれませんし。
 学校でのいじめや教師の行き過ぎた指導はその都度注意、指導しなければいけませんし。
 自分のこれからの生き方を見失っている子供にはカウンセリング等で話を聞いてみないと今後の進路もわかりませんし。
 ストレスや病で疲れている子供には好きな事に触れられるようにして回復させないとどうしようもありませんし。
 
 これらの原因はどれも教育の失敗であって、ゲームをする子供に罪をかぶせるのはお門違いです。
 特にいじめや教師の指導による不登校のケースは、本来罰を受けるべきの加害者側が無罪放免で楽しく生活しているのに対し、不登校の子供だけが一方的にゲームを取り上げられるような形になっており、不公平この上ない話です。

 解決する為には予算がない人が足りないというのであれば、まず解決する為の問題提起をすべきです。

 子供たちに向き合う努力もせずに、
「色々問題があるかけど面倒くさいからとりあえずゲーム規制しておくか」
 くらいの条例ならやらないほうがマシというものです。

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[ 2020/01/24 09:00 ] 日記 | TB(0) | CM(0)

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